タロットを学ぶ多くの人が、いちばん難しいと感じるのが「コートカード(宮廷札)」です。小アルカナのうち人物が描かれた十六枚 — 四つのスートごとにペイジ・ナイト・クイーン・キングが一枚ずつあります。難しい理由ははっきりしています。この札が「実在のある人物」を指すことも、「自分の中のある性格」を映すことも、「とるべきある態度」を勧めることもあるからです。その三つを見分ける術を知れば、ぐっと楽になります。
まず四つの階級は、よく「成熟の段階」や「役割」として読まれます。ペイジは学ぶ者・伝令・好奇心の初々しさを、ナイトは行動と突進 — ときに行き過ぎを、クイーンは内に熟した成熟と慈しみを、キングは外に現れる統率と責任を表すと見ます。同じスートでも、ペイジからキングへ進むほど、その気を扱う手つきが巧みになるわけです。
そこへ四つのスートが色を添えます。ワンドは火(情熱・意志)、カップは水(感情・関係)、ソードは風(思考・言葉)、ペンタクルは土(現実・物質)です。ですから二つの結を重ねて読みます。たとえば「カップのクイーン」は感情を深く抱いて慈しむ成熟を、「ソードのナイト」は思考と言葉で迷いなく突き進む勢いを描く、という具合です。十六の人物の一つひとつが、「どの気を、どれほど巧みに扱うか」の組み合わせなのです。
では実際のリーディングでは、三つのうちどれで読むのでしょう。第一に、周りの「ある人物」 — その札の結に似た誰かを指すとき。第二に、「自分の一部」 — いま自分の中で目覚める面を映すとき。第三に、「勧める態度」 — この状況をその人物のように扱ってごらん、という誘いのとき。どれなのかは、問いと周りの札が教えてくれます。人を尋ねたなら人物として、心を尋ねたなら自分の一面として読む、というふうに。
ですからコートカードは「ただ一人」と釘を刺す札ではなく、私たちがそれぞれ抱き、また育てていける「役割と気の鏡」に近いのです。今日のわたしに要るのはペイジの好奇心か、クイーンの広い懐か — そう問うだけで、札は優しい言葉をかけてくれます。FortuneLeafのいつものように、タロットは定まった運命を告げません。十六の人物は、わたしがどんな姿でこの瞬間を生きてみるかを映す鏡にすぎないのです。